Topics
2021.03.31 circular No.16
固体物理とイオン液体防衛大学校機能材料工学科
阿部 洋
もともと固体物理分野で研究していた。固体の構造は図1のような分類によって構造的特徴が明らかになる。研究テーマはマルテンサイト変態のカイネティクス⇒誘電体リラクサー⇒準結晶の相転移⇒過冷却液体の超音波照射効果⇒電気流体力学⇒イオン液体と変わり、“固体”から“液体”にシフトした。イオン液体の研究を始めるきっかけは、濱口先生の固体物理(科学雑誌)のイオン液体の解説だった1。イオン液体の研究を進めていくと、固体物理や統計力学の視点・発想が役立つことに気づいた。
水の高圧の相挙動は非常に複雑であることは良く知られている2。双極子モーメント(ベクトル)、水素結合(指向性+極性)、配位数(トポロジー)に起因する。一方、強相関電子系では電荷(スカラー)・スピン(ベクトル)・軌道(テンソル)の自由度によって多彩な物性が発現する。イオン液体の場合は、前述のパラメータに加えて分子回転自由度によるコンフォメーション(幾何異性)が重要になる。
過冷却液体とガラスは『自由エネルギーランドスケープ』3を用いて、構造エントロピーと非平衡性が議論されている。『自由エネルギーランドスケープ』は局所的なポテンシャルの谷で多数の準安定構造を表す。イオン液体の複雑な挙動を理解するために『ケージエネルギーランドスケープ』(図2)が導入された4。イオン性と有機性の二面性で局所ポテンシャルの深さとスロープが変化し、イオン液体の非平衡性が説明される。また、創薬の分野で『結晶エネルギーランドスケープ』が提唱されている5。低分子系の医薬品はコンフォメーション変化による結晶多型を有し、結晶構造によって薬物動態特性や製剤の安定性が影響される。特に、結晶多形の結晶間の格子エネルギー差が小さいため、錠剤化の加圧過程で原薬形態が簡単に変化する。原薬バルクの安定化のための結晶多型スクリーニングの研究が進んでいる6。
イオン液体やイオン液体-水混合系の階層構造やナノ領域に閉じ込められた水のダイナミクスは解説7, 8にまとめられている。そこで、本稿では低温・高圧下のイオン液体の結晶多型と多経路性 (表1) を中心に述べる。
図1 固体の秩序と無秩序
図2 ケージエネルギーランドスケープ
表1 プロトン性イオン液体(EAN, PAN)と非プロトン性イオン液体の結晶多形と多経路性
カチオンのコンフォメーションと低温の結晶多型は早くから研究がされてきた。ここでは室温で液体である代表的な[C4mim][PF6]の結晶多型を取り上げる。量子化学計算から[C4mim]+ カチオンは安定なコンフォメーションが3つある9,10。[C4mim][PF6]の低温の結晶多型とコンフォメーションの関係は詳細に解説されている11。冷却過程で結晶化は起きないが昇温過程でα→ β→γの結晶多型が観測される(図3)12。一方、[C4mim][PF6]の単結晶構造解析から[PF6]- アニオンが空間的に分布していることが分かった13。31P-NMRから得られた結晶中の[PF6]- アニオンの回転運動と矛盾しない11。また、アルキル鎖長の異なる[Cnmim][PF6]の結晶構造から、格子エネルギー、コンフォメーション、結晶多型が多角的に議論されている14。
X線回折とラマン分光を用いて、高圧下の[C4mim][PF6]の結晶多型が調べられた15。図3のように加圧過程でβ→α→δ→δ’ →A(アモルファス)と相変化する。低温のα相とβ相と同じ結晶構造が高圧でも現れるが、高圧特有のδ相が2.6 GPa (= P2)で生じた。さらに、この圧力で新しいGc コンフォメーションのラマンバンドが出現した。結晶構造解析からGc は低温の安定な[C4mim]+ コンフォメーションと異なり、アルキル鎖が大きく畳み込まれている。6 GPa (= Pg)でガラス化が始まり、 Gc コンフォメーションの割合が増大する。大きく畳み込まれたコンフォメーションを図4に示す10,16。一番エネルギーの低いgaucheはng’g’10であるが、パッキング効率を考慮すると、各gauche体のランダム形成がGcコンフォメーションであると予想される。つまり、球形に近いGcコンフォメーションが方向秩序を失ってガラス化が進むと考えられる。 いろいろなgaucheが混ざっている“コンフォメーション・ガラス”状態はエントロピーとパッキング効果でエネルギー的に安定化している。
図3 [C4mim][PF6]の結晶多型
図4 畳みこまれた[C4mim]+コンフォメーション
典型的なプロトン性イオン液体のMAN, DAN, EAN, PANは室温で固体か液体の状態で存在し、室温の状態で相変化を分類することができる17(図5)。室温で固体のMANとDANは高温の結晶多型の1つの相として柔粘性結晶が出現する。イオン性、水素結合、プロトンネットワークが密接に絡んでいる。一方、室温で液体のEANとPANは低温で結晶多型と多経路性が起きる。単純な分子構造であるが、非常に複雑な相転移を示すので、わずかな状態変化もプローブできるX線回折+DSC同時測定が必要になる。同時測定によってプロトン性イオン液体の隠された特性を抽出することができる。
EANの低温の結晶多型・多経路性と高圧結晶多型を図6に示す18。低温の結晶多経路性は分岐温度 TB で特徴づけられる。TB 以下に冷却すると、昇温過程で新たに II相 と II’ 相が現れる。このTB でX線回折パターンとDSCに変化は見られない。PAN17も同様なTB が存在するが、未だにTBの原因は良く分かっていない。低温のII相の結晶構造19は[NO3]- アニオンのsin波の変調で表されるのに対し、低温のI相は[NO3]- アニオンの1次元的なオーダー18が発達している。一方、高圧では、低温と異なる結晶多型が誘起された。高圧のα’相は2次元的な[NO3]- アニオンのネットワーク、γ相は3次元的なネットワークが形成される。X線回折で水素の情報を得ることは非常に難しいが、多様な[NO3]- ネットワークはプロトンを介して発達していると考えられる。
図5 プロトン性イオン液体の分子構造と低温の相挙動
図6 EANの低温・高圧の相転移
TrioloのグループのX線回折実験によって、イミダゾリウム系イオン液体[Cnmim][X]のナノ不均一性が明らかにされた20,21。nはアルキル鎖長で、n に比例してナノ不均一性が顕著になる。また、分子動力学(MD)計算で、n > 6でアルキル鎖の非極性ナノドメインが大きくなり22、nc = 6 付近でイオン性から有機性に乗り換わる。MDの計算結果はX線回折の低Qピークの増大に対応している。一方、アニオン効果は、相互作用エネルギーで評価されている23。大きい順にF− > Cl− > OAc− > Br− > NO3− > I− > HSO4− > SCN− > ClO4− > BF4− > TFSI− となっている。最近、[C6mim][X] にガラス化・結晶化にアニオンのサイズ効果が現れることが分かった(図7)24。アニオンのサイズがTCM以下だとガラス化するのに対し、TFMSのサイズより大きくなると結晶化が誘発される。アルキル鎖の短い[C4mim][X]系では、アニオンサイズプロット上で明瞭なガラス化領域・結晶化領域が現れないで、アニオン相互作用によって固体状態が決まる。従って、[C6mim][X]のnc = 6 の特異性がアニオンサイズ効果に関与していると考えられる。実際に、イオン性から有機性へ乗り換わる nc では、アルキル鎖が大きくゆらいでラマンスペクトルのバックグランドが大きくなる。図7の明瞭なガラス化領域と結晶化領域は、[C6mim][X]だけ『ゆらぎ』が増大して、アニオンの幾何学的な異方性の影響を受けないことを示している。
図7 [C6mim][X]の結晶化・ガラス転移温度
[C2mim][NO3]は低温で単純に結晶化する25。[C2mim][NO3]の結晶構造が求められ、non-planar (NP) の[C2mim]+のコンフォメーションが選択される26。[C2mim]+のねじれ角のポテンシャルエネルギー計算からNPが安定に存在することが分かった(図8)27。それぞれのエネルギー差はplanar (P) = NP + 1.8 kJ/mol, planar’ (P’) = NP + 4.3 kJ/mol と求められた。実際に、液体状態では、NPとPが共存している。高圧のラマン分光実験から高圧相転移とコンフォメーションの関係が明らかにされた28。4 GPa付近からP’ が現れた。常圧ではP’は観測されないので、高圧固有のコンフォメーションである。6 GPa 以上でP’の存在比が一定になる(~25%)。P’で分子パッキング効率が上がるが、ねじれ角のポテンシャルエネルギーが高いのでP’の存在比が25% より大きくなることができない。
高圧でのコンフォメーション変化は高圧の結晶多形を示唆しているので、高圧X線回折実験を行った25。図9のように非常に複雑な結晶多形が生じる25,29。特に、6 GPa以上で新たな変調構造 (γ→γ’→γ’’) が発生して格子定数が大きくなる。P’は25%以上に増大しないので、新たな分子配向秩序によって分子パッキング効率を上げている。また、P’が発生しない圧力以下で減圧すると、可逆的な相転移を示す。これに対し、P’が発生すると減圧過程でγ’’’相が現れる。この相転移の経路を決める分岐圧力をPB とする。高圧特有のP’ コンフォメーションによって、相転移経路が決まることが分かった。
図8 [C2mim]+のコンフォメーション
図9 [C2mim][NO3]の高圧の結晶多型と多経路性
アニオンにコンフォメーション自由度のある[TFSI]− は3 ≤ n で低温と高圧で結晶化しない。[TFSI]− は二つのコンフォメーション(C1, C2)を有し30、分子静電ポテンシャルマップから、[TFSI]− の酸素近傍の負電荷密度が大きくなっている31。コンフォメーション変化によって2つの-SO2基の位置が相対的に大きく変わるので、静電的な相互作用が多自由度になる。さらにアニオンのサイズが大きいので負表面電荷密度も小さくなる。これらの要因は[Cnmim][TFSI] (3 ≤ n)のアモルファス化の起源としてみなされる。
[PFBS]− アニオンも2つの安定なコンフォメーションをもつ(図10)32。[PFBS]−は-SO3基が一つしかなく、コンフォメーションが変化しても、分子静電ポテンシャルマップはほとんど変わらない。-SO3基の酸素に負電荷が分布し、[C4mim]+の正電荷分布の大きいイミダゾリウム環のC2の水素と相互作用している。カチオンとアニオンの位置がユニークに決まるので、低温で[Cnmim][PFBS] (n = 4, 6, 8) は結晶化する32。図11のように、[C4mim][PFBS]は、冷却過程でα→β→γ の結晶多型が観測されるが、昇温過程はα 相が現れない。一方、[C8mim][PFBS]は昇温過程でγ→β→δ→αの相変化をして、新たにδ相が出現する。[C6mim][PFBS]は、[C4mim][PFBS]と[C8mim][PFBS]の中間の相変化をすることが分かった。つまり、アルキル鎖長が長くなるにつれて、相変化が複雑に変化していく。実際に、[C8mim][PFBS]の格子定数は非常に大きくなる32。また、[C4mim][PFBS]の結晶構造解析から、[PFBS]- のコンフォメーションはすべてtransであることが分かった。高圧でも結晶多形が生じるが、低温の多経路性とは異なる33。
図10 [PFBS]-のねじれ角ポテンシャルエネルギー
図11 [Cnmim][PFBS] (n = 4, 6, 8) の結晶多形
かなり前から、イミダゾリウム系イオン液体でアルキル鎖長が長くなると液晶相が形成されることが分かっている34。イミダゾリウムカチオンの有機性が液晶相形成に寄与している。[C8mim][Cl], [C8mim][PF6], [C8mim][TFSI]の動的階層性が中性子準弾性散乱によって明らかにされた35。また、高圧化でナノ不均一性が消失する[Cnmim][BF4]36とそのまま不均一性が残る[Cnmim][TFSI]37がある。アニオンの種類によって大きく異なる場合があるので注意しなければならない。[C10mim][Br]は高圧化で結晶化しないが、[C10mim][Cl] は非常にユニークな低温の結晶多形が現れた(図12)12,38。低温ではTB以下に冷却すると、昇温過程で液晶相が現れる。液体状態の時のブロードな低Qピークが、液晶に相転移すると同じピーク位置でシャープなブラッグ反射に変わる。また、粘性の大きい[C10mim][Cl]は冷却速度に比例して結晶化温度が低下する38。最終的に10 ℃/min以上で結晶化しないでガラス化する。高圧では、液体状態の低Qピーク位置よりも低角にブラッグ反射が現れる。また、低角の00ℓ反射は、格子定数の大きい層状構造が形成されていることを示している。つまり、圧力の効果で液晶の層構造と異なる層構造が誘起される。構造解析から、積層方向の格子定数が4 nm で、アルキル鎖がgaucheの“Folding layer”とアルキル鎖がtransの“Stacking layer”が交互に積層しているハイブリッドな構造である(図13)12,38。3.0 GPa でα→β と相転移する。相転移後、hk0反射のピーク幅が大きくなるのに対し、00ℓ反射のピーク幅はほとんど同じである。“Folding layer”の面内の方向秩序をもっているドメインが小さくなっている。つまり、球状の[C10mim]+ カチオンが方向秩序を失っているが、パッキング効率の高い“Stacking layer”のtransのカチオンが層状構造を保っている。それぞれのカチオンの形状の効果を考察する。“Folding layer”の球状のカチオンはせん断応力に対し強く、アルキル鎖が切れるのを未然に防いでいる。また、β相は面内の球状カチオンの配向無秩序化に伴い、結晶の対称性が上がる。“Folding layer”面内のカチオンの配向ランダム化はエントロピーで得をしている。一方、“Stacking layer”のパッキングを優先しながら、層状構造が壊れないことに寄与している。最高圧力(5.1 GPa)でもそれぞれのtransとgauche役割で結晶を保っている(機能性の保持)。長いアルキル鎖のイオン液体のハイブリッド構造は高圧特有の結晶構造で、極限条件下でも本来の機能を保とうとする分子の本来の姿なのかもしれない。
図12 [C10mim][Cl]の結晶多形と多経路性
図13 [C10mim][Cl]の結晶構造
紙面の都合上、エーテル結合を有する[DEME][X]と[MEMP][X] (X = NO3-, BF4-, PF6-, TFMS-, TFSI-) の柔粘性結晶、結晶多形と多経路性39は省略するが、エーテル結合由来の結晶の多様性と複雑性が明らかになった。
最後に、イオン液体は単純な分子系であるが、水素結合・コンフォメーション・電荷・双極子モーメントが織りなす多自由度系で、固体物理の視点から見てもかなり面白い素材である。高圧下の水分子の振舞も魅力的だが、イオン液体のような組み合わせ自由という“遊び心”に欠ける。イオン液体には何かもっと面白い物理が潜んでいると信じている。一連のイオン液体の『ゆらぎ』とフラストレーションの研究は文献29にまとめてある。
イオン液体の研究を進めるにあたり防衛大の応化の吉村先生、竹清先生、機能材料の岸村先生、根本先生、下野先生、電気電子の吉田先生にお世話になりました。特に、初期のころに吉村先生との超高圧ラマン分光実験は大きな成果につながりました。超高圧のX線回折実験はお茶の水女子大の浜谷先生にご指導していただきました。浜谷先生とは学生時代の時からの縁で、これかも師として仰ぎます。創価大の清水先生と立命館の花﨑先生、日清紡の増田さんには、試料や研究の進め方などの手ほどきをうけました。放射光実験、中性子回折実験では施設のスタッフの方々にお世話になりました。また、防衛大の院生たちにも実験を手伝ってもらい、非常に良いデータを得ることができました。量子化学計算は都築先生にサポートしてもらいました。都築先生の本40をゼミに使って勉強しています。
最後に、豊田理研の西川惠子先生にいろいろな研究会でお話をしていただき、感謝しています。もともと結晶・準結晶などの『ゆらぎ』の研究をしていて、学生の時から西川先生の結晶学会の解説を読んで勉強していました。静的・動的な『ゆらぎ』は、イオン液体の分野でも、今後、重要性を増すと感じています。
参考文献
- 濱口宏夫, 固体物理, 40, 923 (2005)
- C. G. Salzmann, J. Chem. Phys. 150, 060901 (2019)
- P. G. Debenedetti and F. H. Stillinger, Nature 410, 259 (2001)
- R. Shi and Y. Wang, Sci. Rep. 6, 19644 (2016)
- A. Johnston, A. J. Florence, N. Shankland, A. R. Kennedy, K. Shankland and S. L. Price, Cryst. Growth Des. 7, 705 (2007)
- M. A. Neumann, J. van de Streek, F. P. A. Fabbiani, P. Hidber and O. Grassmann, Nature Commun. 6, 7793 (2015)
- 阿部 洋, 日本結晶学会誌 58,24 (2016)
- 阿部 洋, 波紋 29, 100 (2019)
- S. Tsuzuki, A. A. Arai and K. Nishikawa, J. Phys. Chem. B 112, 7739 (2008)
- T. Endo, T. Higuchi and Y. Kimura, Bull. Chem. Soc. Jpn. 93, 720 (2020)
- 遠藤太佳嗣, 西川惠子, 日本結晶学会誌 58,7 (2016)
- H. Abe, H. Kishimura, T. Takekiyo, Y. Yoshimura and N. Hamaya, J. Mol. Liq. 283, 196 (2019)
- S. Saouane, S. E. Norman, C. Hardacre and F. P. A. Fabbiani, Chem. Sci. 4, 1270 (2013)
- T. Endo, H. Masu, K. Fujii, T. Morita, H. Seki, S. Sen and K. Nishikawa, Cryst. Growth Des. 13, 5383 (2013)
- H. Abe, T. Takekiyo, N. Hatano, M. Shigemi, N. Hamaya and Y. Yoshimura, J. Phys. Chem. B 118, 1138 (2014)
- Y. Zhao, X. Liu, X. Lu, S. Zhang, J. Wang, H. Wang, G. Gurau, R. D. Rogers, L. Su and H. Li, J. Phys. Chem. B 116, 10876 (2012)
- H. Abe, T. Takekiyo, Y. Yoshimura, A. Shimizu and S. Ozawa, J. Mol. Liq. 269, 733 (2018)
- H. Abe, Y. Koyama, H. Kishimura and Kiyoto Matsuishi, J. Mol. Liq. 318, 113959 (2020)
- W. A. Henderson, P. Fylstra, H. C. De Long, P. C. Trulovea and S. Parsons, Phys. Chem. Chem. Phys. 14, 16041 (2012)
- A. Triolo, O. Russina, H. -J. Bleif and E. Di Cola, J. Phys. Chem. B 111, 4641 (2007)
- O. Russina, A. Triolo, L. Gontrani and R. Caminiti, J. Phys. Chem. Lett. 3, 27 (2012)
- C. E. S. Bernardes, K. Shimizu, A. I. M. C. Lobo Ferreira, L. M. N. B. F. Santos and J. N. Canongia Lopes, J. Phys. Chem. B 118, 6885 (2014)
- P. Naert, K. Rabaey and C. V. Stevens, Green Chem. 20, 4277 (2018)
- H. Abe, S. Tsuzuki and S. Ozawa, Chem. Phys. Lett. 712, 30 (2018)
- H. Abe, T. Takekiyo, Y. Yoshimura, N. Hamaya and S. Ozawa, Aust. J. Chem. 72, 87 (2019)
- J. S. Wilkes and M. J. Zaworotko, J. Chem. Soc. Chem. Commun., 965 (1992)
- J. N. Canongia Lopes, J. Deschamps and A. A. H. Pa´dua, J. Phys. Chem. B 108, 2038 (2004)
- Y. Yoshimura, T. Takekiyo, H. Abe and N. Hamaya, J. Mol. Liq. 206, 89 (2015)
- H. Abe, J. Mol. Liq. (2021), in press.
- K. Fujii, T. Fujimori, T. Takamuku, R. Kanzaki, Y. Umebayashi and S. Ishiguro, J. Phys. Chem. B 110, 8179 (2006)
- K. A. Kurnia, C. M. S. S. Neves, M. G. Freire, L. M. N. B. F. Santos and J. A. P. Coutinho, J. Mol. Liq. 210, 264 (2015)
- Y. Koyama, S. Shimono, H. Abe and K. Matsuishi, J. Mol. Liq. 317, 113908 (2020)
- Y. Koyama, S. Shimono, H. Kishimura, T. Takekiyo, Y. Yoshimura, H. Abe and K. Matsuishi, submitted to J. Mol. Liq.
- J. D. Holbrey and K. R. Seddon, Clean Prod. Proc. 1, 223 (1999)
- M. Kofu, M. Nagao, T. Ueki, Y. Kitazawa, Y. Nakamura, S. Sawamura, M. Watanabe and O. Yamamuro, J. Phys. Chem. B 117, 2773 (2013)
- Y. Yoshimura, M. Shigemi, M. Takaku, M. Yamamura, T. Takekiyo, H. Abe, N. Hamaya, D. Wakabayashi, K. Nishida, N. Funamori, T. Sato and T. Kikegawa, J. Phys. Chem. B 119, 8146 (2015)
- Y. Yoshimura, T. Takekiyo, Y. Koyama, M. Takaku, M. Yamamura, N. Kikuchi, D. Wakabayashi, N. Funamori, K. Matsuishi, H. Abe and N. Hamaya, Phys. Chem. Chem. Phys. 20, 199 (2018)
- H. Abe, N. Hamaya, Y. Koyama, H. Kishimura, T. Takekiyo, Y. Yoshimura, D. Wakabayashi, N. Funamori and Kiyoto Matsuishi, ChemPhysChem 19, 1441 (2018)
- H. Abe, H. Kishimura, T. Takekiyo, T. Hanasaki, Y. Yoshimura and N. Hamaya, J. Mol. Liq. 300 (2020) 112340
- 都築誠二, 『有機分子の分子間力 : Ab initio 分子軌道法による分子間相互作用エネルギーの解析』(東京大学出版会,東京, 2015)